2021年7月9日に「第15回 State of Agile」のレポートが公開されましたので、印象的だったものを簡単にまとめてさせていただきます。
本記事は 「Digital.ai Software, Inc.」の「15th State of Agile Report」を参考に作成しています。
State of Agile Report とは?
State of Agile Reportは、Digital.ai社が世界のアジャイル開発者を対象に実施しているアンケートです。
@15th State of Agile Report (P.1)
2006年から14年間続いています。
このアンケートは、アジャイルを実施している人を回答してもらっているので、
図や表は若干誇張している感じでみるといいです。
とは言え、これだけ大規模なアンケートは中々ないので、とても参考になっています。
アジャイルの導入チーム推移・経験
調査結果では、ソフトウェア開発チームでのアジャイル採用率が大幅に増加したと記載があります。
2020年 37% → 2021年 86%
ソフトウェア開発チームのうち86%が何かしらのアジャイルのフレームワークを活用してという結果になっています。
@15th State of Agile Report (P.6)
上のアンケートの質問と回答は以下です。
- あなたの会社ではどのくらい期間アジャイルを実践してきたか?
3年以上アジャイルを実践していると回答した企業が全体の65%
- あなたの会社のチームは何人がアジャイルのプラクティスを採用しているか?
アジャイルプラクティスを採用している人数が半分以上と回答した人が全体の52%
アジャイル導入の恩恵(メリット)
また、以下の図は、
左:アジャイルの実施で、どんな領域にプラスの影響を与えたか?
右:あなたの組織では、アジャイル変革の成功をどのように測定しているか?
という質問です。
@15th State of Agile Report (P.6)
プラスの影響を与えた観点のトップ3は以下です。
・変化する優先順位の管理
・ビジネスの可視化
・ビジネスとITの連携
成功判断は以下観点で測定していることが多いようです。
・顧客/ユーザーの満足度
・ビジネス価値
・ビジネス目標が達成できたかどうか
アジャイル採用時の障壁
@15th State of Agile Report (P.12)
上記の図は、アジャイルプラクティス採用時に障壁となるものは何か?という質問です。
障壁トップ4は以下です。
・チームごとにプロセスに一貫性がないこと
・アジャイルの価値観と組織ごとの文化の違い
・変化することに対する抵抗感
・アジャイル手法のスキル/経験不足
採用フレームワーク
以下の図は、チームで利用するアジャイル手法は何か?という質問です。
@15th State of Agile Report (P.13)
スクラムが66%と過半数を占めていることがわかります。
スクラム関連の手法を合わせると約8割がスクラムですね。
@15th State of Agile Report (P.16)
また、大規模アジャイルの場合のフレームワークでは「SAFe」が37%を占めるようです。
アジャイルのツール
アジャイル開発時のツールとしては、やっぱり「JIRA」が80%と高いシェアとなっています。
@15th State of Agile Report (P.17)
アジャイルレポート(15回目)を読んだ後の所感
- こんなアンケートを実施してくれている「Digital.ai」には、感謝しかない。
- ソフトウェア開発のベストプラクティスがウォーターフォール→アジャイルに変わった印象。
- 変化する環境への対応、ビジネスとITの連携しやすさが、アジャイルのメリット。
- 成功判断の1位「満足度」をどう定量的に評価しているか教えて欲しい。
- 障壁の内容は、万国共通なイメージ。
- フレームワークの結果はやっぱり「スクラム」と「SAFe」か。って感じ。
- ツールも1位の「JIRA」は理解できるが、「google Docs」とかでどうやっているか気になる。
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