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【アジャイル指標】NSMがプロダクト価値向上の鍵(North Star Metric)

Agile-NSM

アジャイル開発は「ユーザーに価値のあるプロダクトを素早く生み出す」ためのフレームワークです。

では、実際に開発したプロダクトやサービスがユーザーにとって価値のあるプロダクトになっているかをどのように評価・測定すればよいでしょうか。

この記事では、プロダクト価値向上を測定するための指標である「NSM(North Star Metric)に関して、

具体例を交えながら、なるべく簡単に解説します。

事業部門と開発部門で
目指している方向が違うことがよくあるんですよね。。。

価値のあるプロダクトを素早く提供するには、
同じ目標に向かってリソースを集中することが大切だよ!

この記事でわかること

・「NSM(North Star Metric)」とは何かわかる
・NSMとKGI/KPIの関係性を理解できる
・NSMの決定方法や運用方法、具体例を知ることができる

目次
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North Star Metric(NSM)とは?

Agile-NSM-1

North Star Metric(NSM)とは、プロダクトの方向性と成長を示す指標です。

プロダクトのコアとなる価値が、ユーザーに届いているか測定するために利用されます。

また、収益の先行指標としても使われます。

NSMが必要な理由

プロダクトに関わる全員が同じ目標に向かって取り組むことで、

リソースを集中し、ユーザーに価値のあるプロダクトを素早く提供できるようになります。

しかしながら、現場では以下の図のように、ビジネス部門と開発部門がそれぞれ別の目標(KGI)を掲げてプロジェクトを進めていることが多くあります。

Agile-NSM-2

NSMは、これらの課題を解決します。

長期的な顧客獲得・維持を目指すためには、ビジネス的な観点、プロダクト的な観点のどちらも含む指標が必要です。

自分たちのプロダクトのNSMを明らかにすることで、得られる効果やメリットは以下です。

【NSMのメリット】
・プロダクトに関する意思決定が素早くできる(正しい方向に導ける)
・コアバリュー(価値)に集中して、プロダクト開発を進められる
・プロダクトに関わる全員が同じ方向を向くことで、コラボレーションが促進される

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KGI/KPIのみを指標とした場合のデメリット

ここで、これまで様々なプロジェクトで用いられてきたであろう「KGI」「KPI」のデメリットをあげさせていただきます。

そもそもKGI/KPIを一言で説明すると以下です。

・KGI(Key Goal Indicator)
 →ビジネスの最終目標を定量的に評価するための指標(結果を見る指標)
・KPI(Key Performance Indicator)

 →KGIを達成するために注視するべき指標(過程を見る指標)
 ※KGI/KPIの例:売上高、利益率、成約件数、収益、顧客数など。

また、KGI/KPIは下図のようにKPIツリーとして表すことができます。

KPI-tree

KPIツリーがあればプロダクトを正しく成長させられるように見えるため特に問題ないように感じます。

ではなぜ、NSMの概念が現れたのでしょうか?

KIPツリーは特にビジネス視点で作成されます。そのため、KGIは「収益目標」であることが一般的です。

以下の図はKGIを「売上○○円」と設定した場合のKPIツリーの例です。

KPI-tree-1

このように、ビジネス視点のKPIツリーによって導き出されたKGIは正しいことですが、KGI達成のための施策にプロダクト視点」が不足しがちです。

プロダクトが顧客に使われ続けるためにはプロダクト自体の価値を感じ続けてもらう必要がありますが、KPIツリーではそこに対するアプローチが取りにくいことがあります。

また、KGIとして設定される「収益」「利益」などは、顧客にとってプロダクト価値の改善/改悪があったとしても、すぐに指標に表れるものではありません。(遅行指標)

プロダクトの改善を進めるためには先行指標が必要であり、これがNSMに期待される役割です。

【KGI/KPIのデメリット】
・プロダクト視点が不足しがち
・改善/改悪が指標に反映されるまで時間がかかる

NSMとKGI/KPIの関係性

結論からお伝えすると、NSMはKGI/KPIと関連付けることが可能です

そのため「現在のプロジェクトでKGIやKPIで目標設定してしまっているんだけど。。。」と思った方も問題ありません。

NSMをKPIツリーの中にマッピングすると下図のようになります。

KPI-tree-with-NSM

上記のように、NSMは以下2つの観点の指標になります。

・KGIの先行指標(ビジネス視点)
・Mission/Visionの達成度を示す指標(プロダクト視点)

この結果、KPIがNSMにリンクした形となることで、KPIに対する具体的な施策に「プロダクト視点」のアクションが出やすくなります。

【Web会議システム「Zoom」を例にした場合】
KGI:売上高
NSM:1週間あたりのZoomでホストされたミーティング数
NSMの向上にフォーカスすることで生まれる施策。
・Zoomでミーティングを予約した方が、競合のツールを使うよりも効率的にWeb会議を開催できる仕組みを検討する
・ミーティングを実施したくなった時、すぐにミーティング開始できるように導線を工夫する
・メールやカレンダーのサービスと連携して、各サービスからミーティングを予約できるようにする

Zoomの無料プランはミーティングの時間が30分と制限があります。

そのため、無料プランと有料プランの内訳はあれど、ホストされたミーティング数が増加すると、有料プランの母数も必然的に上がります。その結果、KGIの達成にも繋がります。

NSMを選ぶ時の3つのアプローチ

NSM-approach

NSMには、「必ず○○の観点が含まれたものを選ぶ」などといったルールはありません。

プロダクトやチームにあったものを選択すればOKです。

とはいえ、はじめてNSMを選定する場合は悩まれることが多いと思いますので、ここではNSM選択の方法として3つの観点を紹介します。

①プロダクトの成長を最も加速させる指標を選ぶ

以下2つの視点に最も影響のある指標を選択します。

 顧客視点:このプロダクトはどのような価値を顧客に提供するのか
 ビジネス視点:このプロダクトはどのように収益をあげるのか(ビジネスモデル)

プロダクトの成長には、「価値(顧客視点)」と「収益(ビジネス視点)」の両輪が欠かせません。

例えば、C2Cの配車サービス「Uber」は「旅の数(=乗車数)」をNSMに設定しています。
「乗車数」はUberを利用するドライバーにも、乗客にもサービスの「価値」を測る指標です。
また、Uberは乗車ごとにマッチング手数料を受け取るビジネスモデルであるため、「乗車数」は収益にも直結する指標にもなります。

②ジョブ理論から指標を導く

ジョブ理論:顧客はジョブ(用事)を片付けるためにプロダクトやサービスを雇用するという考え方

顧客がプロダクトやサービスを購入するメカニズムから生まれた理論です。

ジョブ理論の観点でNSMを検討した場合「顧客はどんなジョブのために、このプロダクトやサービスを雇用するのか」を明らかにすれば、それがそのままNSMになります。

再度、Uberを例に考えると、顧客は「現在地から目的地に移動する」というジョブを片付けるためにUberを利用します。そのことから「ジョブを実行した回数」=「乗車数」をそのままNSMに選ぶことができます。

③プロダクトのタイプから指標を絞り込む

プロダクトのタイプからNSMのカテゴリを絞り込む方法もあります。

例えば「North Star Playbook – Amplitude」では、プロダクトのタイプを3つに分類し、それぞれのNSMのカテゴリを示しています。

Attention型:より多くの時間を過ごしてほしいプロダクト

NSMのカテゴリ:滞在時間(例:NETFLIXのコンテンツ再生時間など)

Transaction型:より多くの取引を行ってほしいプロダクト

NSMのカテゴリ:トランザクション数(例:Amazonの商品購入回数など)

Productivity型:より多くのタスクを効率的/効果的に実行してほしいプロダクト

NSMのカテゴリ:タスク数(例:Microsoftのファイル作成数など)

Uberは3つの型のうちTransaction型のプロダクトとなります。
そのアプローチからUberにとっての「取引数」 = 「乗車数」をNSMに選ぶことができます。

良いNSMが選択できているか確認する

NSM-cheack-list

North Star Playbook – Amplitude」では、以下のようなNSMのチェックリストが紹介されています。

みなさんのプロダクトで選択したNSMをこのチェックリストで照らし合わせてみてください。

【NSMのチェックリスト】
・プロダクトの価値を表現している
・会社やチームのビジョンや戦略を表現している
・プロダクトの成功や成長の先行指標である
・その指標に対してアクションを起こすことができる
・ビジネスサイドの人も開発サイドの人も理解しやすい
・プロダクトを通して計測できる
・耳障りがよいだけのものでなく、プロダクトの成長のために真に意味と価値があるものである

NSMを因数分解して具体的なアクションを検討する

NSMが決まるとプロダクトの成長方針が定まりますが、このままでは具体的なアクションを検討しにくい場合があります。

以下4つの観点で分解することでアクションを考えやすくなります。

・広がり:エンゲージした顧客数(会員数、視聴者数など)
・深さ:エンゲージメントレベル(視聴時間、友人への紹介数など)
・頻度:再訪問度(視聴回数、セッション数など)
・効率:タスク完了までの速度(視聴開始までの時間など)

音楽ストリーミングサービス「Spotify」の場合は以下のようになります。

NSM-Spotify

NSMから具体的なアクションの検討に悩んだ時は、上記の4つの観点に指標を分解し、プロダクトを成長させるアクションを検討してみてください。

NSMを運用する

NSM-watch

具体的なアクションの実行に合わせて、NSMの変化を追跡できるようにしておく必要があります。

Datadogなどの監視サービスを利用して、ダッシュボードを作成し、最新のNSMの値をアジャイルチームの全員がすぐにアクセス・閲覧できる環境を作成しましょう。仮に集計が必要な場合は自動化も必要です。

NSMは時系列で追跡します。
時系列でみることで、プロダクトやサービスが成功に向かって成長しているかどうかがわかります。

NSMの変化を追跡することで、どのリリース、どのキャンペーンがプロダクトの成長に寄与したのか、または寄与しなかったのかなどフィードバックを得ることができます。

NSMの変化をしっかりとウォッチしてこそ意味がある指標となるので、NSMを運用するところまでしっかりと検討しておきましょう。

NSMの具体例

NSM-example

世の中でよく利用されているプロダクトやサービスのNSMを紹介します。

Airbnb:予約された宿泊数
Amazon:プライムユーザーの購買点数
Zoom:開催ミーティング数/週
Salesforce:アカウントあたりの作成レコード数
slack:組織内で送信されたメッセージの数
Shopify:各店舗の売上合計金額
Spotify:コンテンツ視聴時間/月
Uber:乗車数
Netflix:月間視聴時間の中央値

参考資料

・プロダクトマネジメントのすべて 事業戦略・IT開発・UXデザイン・マーケティングからチーム・組織運営まで
North Star Playbook – Amplitude
プロダクト指標の作り方 – North Star Metric
ノーススターメトリックの求め方
North Star Playbook – Amplitude

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