アジャイル開発と言われる多くはこの記事で紹介する「スクラム開発」のことを指しています。
スクラム開発でやってますと言われても、具体的なイメージがつかないんですよね。。。
スクラム開発って知ってる?と聞かれた時に、最低限抑えて置きたい基本知識を解説するよ!
・スクラム開発の概要と重要なキーワードを理解できる
・スクラムガイドに定義されているルールがわかる
・スクラム開発で大切にしている考え方がわかる
通勤中、商談前、トイレの中などの空き時間を活用し、1アップを目指しましょう!
スクラム開発とは?
スクラム開発とは、アジャイル開発手法の1つであり、ユーザーに価値のあるプロダクトを素早く生み出すための軽量なフレームワークです。
1990年初頭にKen Schwaber(ケン シュエイバー)とJeff Sutherland(ジェフ サザーランド)により生み出されました。また、スクラム開発におけるチームメンバーの役割、イベント、作成物などのルールは「スクラムガイド」で定義されています。
参考画像:スクラムガイド2017,2020
スクラムは以下2つの考え方に基づいて作成されています。
・経験主義
理論よりも経験を重視し、その経験を基に物事を判断する。
・リーン思考
ムダを省き、本質に集中する。
当初計画に固執することなく、日々の状況変化に柔軟に対応し、ユーザーにとって本当に価値のあるプロダクトを提供するための開発手法です。
「スクラムガイド」の概要
「スクラムガイド」に記載されているルールはそれほど多くはありません。
簡単にまとめると「3つの役割、5つのイベント、3つの作成物」これだけです。
※ アジャイル開発の第一人者「吉羽龍太郎さん」と対談している「エンジニアHub」の記事を参考に、上記図は作成しています。
上記用語の概要をこの後説明するので、しっかりと押えておきましょう!
3つの役割
スクラムチームは以下3つの役割(ロール)で構成されます。
・プロダクトオーナー(PO)
プロダクトの価値を最大化することに責任を持つ。
・スクラムマスター(SM)
スクラムの考え方とノウハウを全員に理解してもらうことに責任を持つ。
・開発者
プロダクトに関するあらゆる側面(品質、計画、専門性)に責任を持つ。
スクラムチームは上記メンバーで構成されますが、プロダクトに対するレビューやフィードバックをもらうためステークホルダーとも密に関わります。(顧客、エンドユーザー、関連部署の人など)
スクラムチームにおける各ロールの役割は以下の記事で解説しています。
5つのイベント+1
スクラム開発は「スプリント」と呼ぶ一定期間の中で以下に記載のイベントを実施します。また、必要に応じて「リファインメント」というイベントも実施します。
1. スプリント
スクラムチームが一定量の作業を完了させるときの短く区切られた期間をことです。スプリントの期間中にスプリントプランニング、デイリースクラム、スプリントレビュー、スプリントレトロスペクティブという4つのイベントを実施します。また必要に応じてリファインメントというイベントを実施します。
2. スプリントプランニング
プロダクトバックログから実施する項目を決定し、スプリントゴール(このスプリントの価値)を定義します。この時にスプリントバックログを作成します。
3. デイリースクラム
スプリントゴールに対する進捗を検査し、必要に応じてスプリントバックログに適応します。
4. スプリントレビュー
スプリントで何が達成され、自分たちの環境で何が変化したかについてレビューし、スプリントの成果を検査し、今後の適応を決定します。
5. レトロスペクティブ
スプリント中に上手くいったこと、発生した問題は何か、その問題は解決したか、解決していないかについて話し合い、次のスプリントに向けた改善を見つけます。
+1. リファインメント
今後のプロダクトバックログの項目に対する作業の精査・詳細化・見積りをします。
スクラムイベントの全体像は以下の記事で解説しています。
3つの作成物
スクラムガイドでは以下3つ作成物が定義されています。
・プロダクトバックログ
プロダクトの開発や改善に必要なタスクが優先度順に並べられた一覧。
・スプリントバックログ
スプリントで実施するプロダクトバックログの項目を実行可能なタスクに詳細化したもの。
・インクリメント
プロダクトゴールへ向けた具体的な成果物のこと。
スクラム開発では、ガイドに定義されている3つの作成物以外にも重要なものがいくつかあります。
スクラムにおける成果物は以下の記事で解説しています。
スクラム開発の三本柱と価値基準
具体的なチーム構成や実施するイベントは先ほど説明しましたが、スクラム開発を実践する際はこれから説明する「三本柱」と「価値基準」は常に意識してください。
三本柱
スクラムは、次の三本柱を実現しています。「透明性」「検査」「適応」の三本柱により、スクラムのイベントは機能しています。
・透明性
プロセスや作業は、作業を実行する人とその作業結果を受け取る人に見える必要があります。
透明性によって検査が可能となるため、透明性が欠けた状態での検査は、誤解を招き、ムダなものになります。
・検査
スクラムの作成物と合意されたゴールに向けた進捗状況は頻繁かつ熱心に検査される必要があります。
また、検査によって適応が可能とされており、スクラムイベントは変化を起こすように設計されているため、適応のない検査は意味がないとされます。
・適応
プロダクト開発のためのプロセスが上手くいかなかったり、成果物であるプロダクトが受け入れなれなかった場合は、現在適用しているプロセスやプロダクト開発のための構成要素を調整する必要があります。
スクラムチームは検査によって新しいことを学んだ瞬間にその学習した内容を適応することが期待されています。
スクラムの価値基準
スクラムが成功するかどうかは、次の5つの価値基準を実践できるかどうかで決まります!
・確約
スクラムチームはゴールを達成し、お互いにサポートすることを確約します。
・集中
スクラムチームはゴールへ向けて進捗できるように、スプリントの作業に集中します。
・公開
スクラムチームとステークホルダーは作業や課題を公開します。
・尊敬
スクラムチームのメンバーはお互いに能力のある独立した個人であると尊敬します。
・勇気
スクラムチームのメンバーは正しいことをする勇気や困難な問題に取り組む勇気を持ちます。
これらの価値基準がスクラムチームや一緒に働く人たちによって具現化されるとき、スクラムの三本柱「透明性」「検査」「適応」に息が吹き込まれ、信頼が構築されます。
スクラム開発のまとめ
[ポイント]
・スクラムはユーザーに価値を素早く提供するためのフレームワークである
・スクラムチームは「プロダクトオーナー」「スクラムマスター」「開発者」の3つの役割で構成される
・スクラムは「スプリント」「スプリントレビュー」「デイリースクラム」「リファインメント」「スプリントレビュー」「レトロスペクティブ」の5つのイベントと必要に応じて実施する「リファインメント」で構成される
・「プロダクトバックログ」「スプリントバックログ」「インクリメント」はスクラムで必要な成果物である
・スクラムでは、「三本柱」と「価値基準」を常に意識する
参考資料
スクラム関連のおすすめ記事
スクラム開発をもう少し勉強したい!と思った方は、以下の記事がおすすめです。
実際に私が読んだ本の中で「絶対に損しない」初心者が読みやすい本をピックアップしてレビューしています。
教本選びのご参考になれば幸いです。
本を読んでいる暇がない!活字は少し苦手。。。という方は、動画教材がおすすめです。
通勤中や就寝前などに必要なセクションのみ選択して学習できるため学習効率が非常に高いです。
また、近年アジャイル人材の需要が高まっています。
アジャイル人材の需要や年収などを以下の記事にまとめていますので、学習のモチベーション維持にお役立てください。
コメント