スクラム開発をはじめるにあたり「アウトプットや具体的な作成物」にはどのようなものがあるの?と気になる人も多いと覆います。
プロダクト開発をするために何を準備したり、作成する必要があるのかよくわからなくて……
スクラムガイドの内容だけでスタートするのは不安になるよね。
スクラム開発のアウトプットに関して紹介するよ!
・スクラム開発を実施する上で必ず作成する必要があるものがわかる
・スクラムを実施する上で、よく作成されるものを知れる
・実際に作成物をどのタイミングで作成するかわかる
スクラム開発では、ドキュメントの作成者と利用者が同じ認識を持つことで情報の透明性が最大化できます。
そもそもスクラム開発って何?という方は、ぜひ以下の記事をご確認ください。簡単に解説しています。
スクラム開始時に必ず作成する3つの作成物
以下の3つの作成物は「スクラムガイド」にて定義されています。
- プロダクトバックログ
- スプリントバックログ
- 完成の定義
上記の3つはスクラム開発を実施する上では、必ず作成するものとなります。
一つずつどのような作成物か確認していきましょう!
プロダクトバックログ(PBL)
プロダクトバックログとは、プロダクトの開発・改善に必要なタスクが優先順位が高い順に並べられた一覧です。
プロダクトバックログに登録されているタスクをプロダクトバックログアイテム(PBI)と呼びます。
スクラムチームやステークホルダーがプロダクトバックログを共有することで、作業の価値や優先度、どのような作業を行うかを確認することができ、全員が共通のゴールを目指すことができます。
@利用しているツールは「Jira」です。無料枠もあるので試しに使うのもOKです。
上記のイメージの場合「BLOGSCRUM-1「プロフィール」を作成する」が一つのプロダクトバックログアイテムとなります。
また、プロダクトバックログは、スクラムチームが行う作業が記載された唯一の情報源です。
「プロダクトバックログ」に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
スプリントバックログ(SBL)
スプリントバックログとは、スプリントゴール達成のために実現可能なタスクレベルにまで詳細化されたものです。
スプリントバックログは、スプリントゴールを達成できるかリアルタイムに検査・適応するために開発者が作成します。
デイリースクラムなどで、SBLをチェックすることで、スプリントゴールが達成できるかの検査し、リスクがある場合は、適応のためのアクションが計画できます。
「スプリントバックログ」に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
完成の定義(Definition of Done)
完成の定義(Definition of Done)とは、プロダクトの品質基準を満たすためのルール(チェックリスト)です。
完成の定義を満たすことで、はじめて「インクリメント」となり、何を持って作業が完了したか、スクラムチーム全員が共通の認識を持つことができるようになります。
透明性が確保できないとメンバーによって完成の精度が異なり品質の低下に繋がるため、完成の定義はスクラム開発を開始する前に必ず作成しておきましょう。
・ユニットテスト(単体テスト)をすべてパスしている
・コミット後の自動テスト(結合テスト)でNGが発生していないことを確認している
・ソースコードをコミット前にクロスチェックしている
・コーディング規約が守れていることを確認している
・関連ドキュメントの更新が完了している
「完成の定義」に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
インクリメント
スクラム開発でのインクリメントとは、プロダクトゴールへ向けた具体的な成果物のことです。
上記のように、スプリントで作成したインクリメントは、これまでのスプリントで作成したインクリメントに追加され、プロダクトが成長していきます。
ユーザーへ価値を提供するためには、すべてのインクリメントが連携して動作し、プロダクトとして利用可能な状態になっている必要があります。
そのために、完成の定義を満たさない限り、スプリントで実施した作業をインクリメントと見なすことはできません。
「スプリントの成果物 = インクリメント」だよ
受け入れ基準(AC)
「完成の定義」と類似のものとして「受け入れ基準(AC)」があります。
受け入れ基準は、プロダクトバックログアイテムに対する機能的な要件が満たせているかを判断するためのチェックリストです。
また、受け入れ基準はプロダクトバックログアイテムごとに異なるのに対して、完成の定義は複数のプロダクトバックログアイテムで共通して満たす項目のチェックリストとなります。
そのため「完成の定義」と「受け入れ基準」の両方がOKとなって、実行中のプロダクトバックログアイテムは、はじめて完成となります。
スクラム開始前に作成する3つの作成物
インセプションデッキ
インセプションデッキを作成することで、プロジェクトメンバーがプロジェクトの概要を把握し、目的やゴールに対して共通認識を持てます。
「インセプションデッキ」に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
ユーザーストーリーマップ
ユーザーストーリーを作成することで、プロダクトを利用する顧客(エンドユーザー)目線で、そのプロダクトで顧客にどのような価値を提供するか明確化できます。
「ユーザーストーリーマップ」に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
ワーキングアグリーメント(Working Agreement)
ワーキングアグリーメント(WorkingAgreement)とは、スクラムチームが規律を守って生産的に物事を進めるためにチーム全員で決めた働き方のルールのことです。
「ワーキングアグリーメント」に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
スクラム開発中に作成するもの
インペディメントリスト(Impediment List)
インペディメント(Impediment)とは、プロジェクトのゴールを脅かす障害や妨害のことです。
インペディメントは、プロダクトに対する技術的な負債や日常業務の中で効率化が必要なもの、対人関係や第三者からの割り込みなど、プロジェクトに関する全ての事象が対象となります。
また、スクラムチームのインペディメントをリスト化したものを「インペディメントリスト」と言います。
「インペディメントリスト」に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
スクラム開発の作成物まとめ
[ポイント]
・プロダクトバックログとは、プロダクトの開発や改善に必要なタスクが優先度順に並べられた一覧のこと。
・スプリントバックログとは、スプリントで実施するPBIとPBIを完了させるために必要なタスク一覧のこと。
・完成の定義とは、何を持って作業完了とするかを決めたスクラムチームないのルールのこと。
・インセプションデッキとは、プロジェクトの概要を把握し、チームで共通認識を持つためのもの。
・ユーザーストーリーとは、プロダクトを利用する顧客目線で、プロダクトでどのような価値を提供するか記述したもの。
・ワーキングアグリーメントとは、スクラムチームが規律を守って生産的に物事を進めるためにチーム全員で決めた働き方のルールのこと。
・インペディメントリストとは、スクラムチームのプロジェクトのゴールを脅かす障害や妨害をリスト化したもののこと。
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