スクラム開発を勉強・実践している皆さんは、現実と理想やギャップに疲れて「モチベーションが低下する」なんてことはないでしょうか。
スクラム開発を正しくやりたいんだけど、なかなか上手くいかなくて……
今の現場で苦労している体験自体がアジャイル人材としての実績になるから、安心して!
この記事では、スクラム開発の勉強や実戦で疲れた人に、学習を継続するための「モチベーション」を提供します!
・求められている/期待されていることを実感する
・今取り組んでいることが給料や年収アップに繋がっていることを理解する
・自分のキャリア/市場価値が上がっていることを実感する
コーヒーブレイクの時にでも読んでいただき、モチベーション維持・向上に繋げていただければ幸いです。
アジャイルが求められる理由
みなさんが学習・実践している「スクラム」を含むアジャイル開発を多くの企業が採用しているには理由があります。
まずは、なぜアジャイル開発が求められているか理解しましょう!
理由①:ビジネスモデルの変化に対応できる
画像:IPA「アジャイル領域へスキル変革の指針 なぜ、いまアジャイルが必要か?」をもとに改変
皆さんも利用したことがあるであろう「Netflix」「Spotify」などのサブスクリプション型のサービスには、
ユーザーと企業側にそれぞれにメリット・デメリットがあります。
企業側はデメリットを回避するためにリリース後も開発を継続し、以下を実施することが必要となります。
・ユーザー体験の向上や機能追加など、継続的にサービスを向上させること
・いま、市場で求められているソフトウェアをタイムリーに市場に届けること
・ビジネス環境の変化に対応し、ユーザーが使い続けたいと思えるプロダクトをリリースし続けるため。
理由②:プロジェクトを成功へ導く
アメリカのソフトウェア統計会社であるStandish Group(スタンディッシュグループ)が、
ウォーターフォール開発とアジャイル開発のプロジェクトの成功率/失敗率に関して、
10,000件の会社を調査し、レポートとして発表しています。
開発手法 | SUCCESSFUL | CHALLENGED | FAILED |
---|---|---|---|
アジャイル | 42% | 47% | 11% |
ウォーターフォール | 13% | 59% | 28% |
SUCCESSFUL:スケジュール、コスト、スコープの3つの制約を全て満たす。
CHALLENGED:制約を全て満たしておらず、十分な成功とは言えないがリリースはできた。
FAILED:完了する前に中止となった。リリースする前にキャンセルになった。
この調査により、アジャイルはウォーターフォールと比べて成功率は3倍、失敗率1/3倍という調査結果となっています。
また、ウォーターフォールで開発したプロダクトにおいて、実施にどのくらいの機能が使用されていたか(使用率)も調査しています。
開発手法 | Always | Often | Sometimes | Rarely |
---|---|---|---|---|
ウォーターフォール | 12.7% | 23.6% | 29.1% | 34.5% |
Always:リリースした機能は、常に使われている。
Often:リリースした機能は、しばしば使われている。
Sometimes:リリースした機能は、たまに使われている。
Rarely:リリースした機能は、ほとんど使われていない。
このようにウォーターフォール開発では、ニーズの変化に柔軟に対応できないこともあり、
ほとんど使われていない機能が34.5%もあることがわかりました。
・ウォーターフォール開発と比べて、プロジェクトが成功率3倍、失敗率1/3倍とリスクが少ないため。
理由③:全員にメリットをもたらす
ユーザーがアジャイルを選択する理由
・今求めているものが、タイムリーにプロダクトに反映される。
開発者がアジャイルを選択する理由
・一体型のチームとなっているため、プロダクトに対する意思決定力を持つことができる。
・自己組織化されたチームになることでメンバーのスキルアップやモチベーション向上にもつながる。
企画/ビジネス部門がアジャイルを選択する理由
・価値の高いプロダクトをリソースと時間を無駄にせず、タイムリーに提供できる。
・費用対効果/投資収益率が高い。
これらの理由により、GAFAをはじめとしたアメリカのシリコンバレーの企業では、
アジャイル開発の採用が80%を超えています。(Status of Agile Reportより)
・ユーザー、開発者、企画、ビジネス部門の全員にメリットがあるため。
アジャイル人材の需要と年収を知ろう
世界的には一般的な開発手法になっているアジャイル開発ですが、
アジャイル開発の日本の導入率は20〜40%程度(企業IT動向調査報告書2020)にとどまっています。
日本はアジャイル人材が少ない
日本企業のアジャイル導入率が少ない理由の一つとして、アジャイル人材が不足していることもあります。
画像:Agile Business Institute Inc.-CSPO研修より
国内のCSM(certified scrum master)の資格保有者数が少ないことは、上記データからもわかります。
そのため、企業がアジャイルを導入したいと考えても、
正しくアジャイル開発のマインドを理解し、実績のある人材はとても少ない状況です。
画像:Agile Business Institute Inc.-CSPO研修より
年々、国内のCSMの取得者数は右肩上がりではありますが、
アジャイル人材を求める企業も同時に増えているため、売り手市場が今後も継続します。
アジャイルの導入率が拡大
ガートナー ジャパンが2019年2月にアプリケーション開発におけるアジャイル開発の導入率を調査しました。
画像:ガートナー、アプリケーション開発 (AD) に関する調査結果を発表
従業員数2000人以上の大企業では、アジャイル型開発手法を「採用中」の割合が継続/拡大と縮小を合わせて40%近くに上り、「未採用:採用予定あり」の割合も30%に達していることが分かりました。
スクラムマスターの年収は一般的なIT人材の1.5〜2倍
アジャイルの導入率の拡大とアジャイル人材の少ないという現状もあり、
スクラムマスターの年収は一般的なITエンジニアと比較して高くなっています。
ITエンジニアの給与統計では、ITエンジニアの平均年収は498万円ですが、スクラムマスターの平均年収は600〜1200万円とされています。
Dodaの年収別求人数の割合を見ると、ITエンジニアは600万円以上の層が最も多い求人数となっており、
スクラムマスターは1000万円以上の層が最も多い求人数となっております。
この結果から、アジャイルの知識・経験を活かすことで年収が高くなることがわかります。
ちなみに、主要な転職サイトにおいて「スクラムマスター」で検索をすると求人数は以下です。
doda:241件
RECRUIT AGENT:185件
※2022年4月17日時点
「スクラムマスター」という限定したポジションにも関わらず、多くの求人募集があることがわかります。
あなたの市場価値は、あなたが考えているよりもずっと高い!
「キャリアの棚卸し」とは?メリットを解説!
キャリアの棚卸しとは、「これまで自分が何をやってきたのか」を洗い出す作業のことです。
職務経歴書や履歴書の前段階のもので、誰かに見せるものではありません。
なんとなく大変そう…と身構えてしまうかもしれません。
しかし、キャリアの棚卸しをやっているといないとでは、転職活動や現在の職場でのキャリアアップに大きな差が生まれます。
・自身の仕事内容や経験を整理できる。
・自分のアピールポイント(強みや得意なこと)を見つけることができる。
・今後のキャリアやスキルアップの目標を設定し、具体的なアクションを検討できる。
・転職活動や現在の職場でのキャリアアップで使える武器を手に入れることができる。
「キャリアの棚卸し」のやり方(4ステップ)
キャリアの棚卸しには様々なフォーマットがありますが、以下の内容で実施してください。
自分が担当していた仕事を書きます。
所属会社・部署・担当プロジェクトの観点で、できるだけ細分化し、書き出します。
洗い出した業務ごとに、取得した資格・伸ばせた能力・得た知識などを記入します。
「こんなこと書いていいのかな?」と思うようなことでもOKです!
仕事に関係しているものなら積極的に書きましょう。
業務を通して、実現したことや達成したことを書き出します。
なるべく具体的に、数字が入っているのが理想です。(もちろん数字がなくでもOKです)
これまでの仕事を振り返り書いてみましょう。
モチベーションが上がったこと、下がったことで考えてみてもOKです。
人に見せるものではないので、本音で書きましょう。
自分で整理できない時は「エージェント」を上手く使おう
「キャリアの棚卸し」を実施する中で、以下のようにことに悩む人は「エージェント」を上手く使いましょう!
・自分の強みやスキルが言語化できない
・自分のやりたいことが曖昧、方向性が決まっていない
・今後の具体的な目標やアクションが決められない
・そもそも時間がなくてキャリアの棚卸しができない
キャリアを相談する場合は「RECRUIT AGENT(リクルートエージェント)」がおすすめです。
実際に私も転職する際にお世話になりました(笑)
ちなみにリクルートエージェントは完全無料ですのでご安心ください。
また、転職の強要などもありません。初回のアンケート時に「キャリア相談のための利用」と明言してOKです!
※キャリア相談のみの場合は、余計なメールが届かないように「転職情報メールを受け取る」のチェックを外しておきましょう。
さぁ、スクラム開発をはじめよう!
この記事を通して、以下を理解していただけたと思います。
①アジャイル開発が求められていること
②アジャイル人材の需要が高く、年収アップも期待できること
③「キャリアの棚卸し」を通して、ご自身の経験がアジャイル人材に当てはまること
スクラム開発の学習継続へ向けた「モチベーション」が少しは上がりましたでしょうか。
みなさんのお役に少しでも立てれば幸いです。
本ブログでは、スクラム開発の初心者へ向けて、おすすめ書籍や動画教材をレビュー記事も書いています。
実際に私が学習したもので「費用対効果が高いもの」を厳選して紹介しています。ぜひご活用ください。
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